ユニットケアは理想通り?現場で感じる5つのズレと現実【特養看護師の本音】

施設看護師(特養)のリアル
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ユニットケアは、理想的なケアの形だと言われています。

少人数で、なじみの関係を大切にして、
その人らしい生活を支える。

とてもいい考え方です。

一方で、「実際はどうなの?」と感じている人も多いのではないでしょうか。

現場で働いていると、
ふとした瞬間に「ちょっと違うかも」と感じることがあります。

否定したいわけではありません。
ただ、理想と現実のあいだにある“ズレ”。

今回は、その違和感を整理してみます。


①「少人数ケア」のはずが回らない現実

ユニットケアは「少人数だから丁寧に関われる」と言われます。

でも現場は、余裕があるとは言いがたいです。

例えば、40人の入所者に対して看護師2名。
日によっては午後に1人になる時間帯もあります。

そうなると、ユニットをまたいで対応せざるを得ません。

気がつけば、
“少人数ケア”というより“少人数を回している”状態です。

少人数=余裕がある、ではない。

それでも、顔と名前が一致する関係は、
安心感につながっているとも感じます。


② ユニットケアなのに個別にならない現実

「その人らしい生活を大切にする」

そう言われていても、現場は時間に縛られます。

食事・排泄・入浴。
人手の中で回す以上、完全な個別対応は難しいのが現実です。

食事でもこんなズレがあります。

少量しか食べない → 間食 → 「全量摂取」扱い。
でも実際は、必要なカロリーには届いていません。

逆に、おやつの持ち込みでオーバーすることもあります。

「意思の尊重」と「医療管理」のあいだのズレ。

さらに、

  • 本人の希望で時間がずれるのか
  • 人手不足でずれるのか

同じ“ずれ”でも意味は違います。

それでも、
少しゆっくり話せる日があるのも事実です。


③「なじみの関係」が続かないこともある

ユニットケアでは「なじみの関係」が大切にされます。

ただ現実には、

  • スタッフが日によって変わる
  • 固定配置が難しい

そのため、関係が深まりきらないこともあります。

環境面でも、

  • 家具は備え付け
  • 部屋の作りはほぼ同じ

「その人らしさ」を出しにくい場面もあります。

また、

  • 意思表示が強い人
  • 遠慮する人

その差も見えやすくなります。

それでも、長く関わる中で
その人らしさに気づける瞬間もあります。

▶排泄介助が少し楽になる日|空振りや失禁が減る「排泄予測支援機器」の記事はこちら


④ 看護師の立ち位置があいまいすぎる

ユニットケアは生活の場です。

その中で看護師は、
普段は生活に溶け込みつつ、必要なときは医療判断を求められます。

特に食事では、

  • 本人の意思
  • 医師の指示

この間で揺れることがあります。

生活の中にいる看護師だからこそ、
医療だけでも生活だけでも割り切れない。

その曖昧さが、この仕事の難しさでもあり特徴だと感じています。

迷いながらでも、
その人にとって無理のない形を探せる。

それは、この環境ならではの関わりかもしれません。


⑤ 理想が高い分、現場がしんどくなる

ユニットケアは理想が高いケアです。

その分、

「こうあるべき」という空気が強くなりがちです。

でも現場には限界があります。

人手、時間、環境。

理想とのギャップで疲れてしまうこともあります。

また、

  • これは希望なのか
  • わがままなのか

迷う場面もあります。

それでも、
「その人にとって少しでも心地いい時間があったか」

それを大切にすることなら、今の現場でもできると感じています。


まとめ:ズレの中で、どう働くか

ユニットケアは、決して悪いものではありません。

ただ、理想と現実にはズレがあります。

そのズレを無理に埋めるのではなく、
できることを大切にしていく。

——そう思いながら働いています。

私の職場では、できる範囲のユニットケアをしています。

個性的なスタッフも多いですが、
否定的な雰囲気はあまりありません。

入所者さんもスタッフも、「その人らしく」。

まるで家族のように関われていると感じることもあります。

人がいない、きついと思うこともあります。

でも、しっかり定時で帰れている日も多い。

「きつい」と思えば、きつい部分ばかり見えてしまうし、
愚痴を言い合ってしまうこともあります。

それでも少し視点を変えると、
思っているほど悪い環境ではないのかもしれません。

完璧でなくてもいい。

その人にとって少しでも心地いい時間があったか。

それを積み重ねていくことが、
続けていくための形なのだと思います。

これからユニット型で働こうと考えている方は、
理想だけでなく現実も知っておくと、少し気持ちが楽になるかもしれません。

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