【適応障害と診断された50代看護師の話】仕事がつらいのは「甘え」ではなかった

看護師的総障害看護師
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仕事中に悲しくないのに涙が出てきてしまう

仕事がつらい、すごく落ち込んでいるということはありますか?

「甘えているんじゃないの?

と言われるのが怖くて休みたいとも言えません

私は転職して1年で上記のような症状でつらい思いをしました

体調がおかしかったのは「適応障害」という病気のためでした

つらいまま我慢しすぎると「うつ病」になるリスクが高まります

適応障害は早期に対策・治療を行うと早く改善する病気です

適切に対応し感情の乱れを整えて、もとの元気なあなたになりますように

この記事を読んででわかること
・仕事がつらい看護師のあなた、こんな症状に注意
・適応障害とは
・適応障害で休めない看護師さんが多い
・適応障害になったらどうなる?
・適応障害で休業するのは甘えではありません

すとかわ
すとかわ

私も職場のストレスで適応障害を経験しました
他人からはつらさがわかりづらいため休職するのには勇気がいりました

  1. 仕事がつらい看護師のあなた、こんなことはないですか?
    1. 毎日過度の緊張感と義務感で頑張っているのがつらい
    2. なんだか無気力で喜怒哀楽がなくなった、眠れないし急に涙がでる
    3. 体がうまく動かない?なんでもないことでミスをする
    4. 転職や部署移動で環境が変わってからなんだかおかしい
  2. それは適応障害かもしれません
    1. 適応障害は病気であり休む必要があります
    2. 悪いのはあなたではありません
    3. あなた以外にも同じようにつらい人がいる
  3. 適応障害でつらいのに休まない看護師さんが多い
    1. 仕事に行きたくない・辞めたい
    2. 仕事が忙しくて他のスタッフに迷惑をかけてしまう
    3. 休職したいけど「サボっている」と思われたくない
    4. まさか私が適応障害(うつ症状)になるなんて
    5. 休職すると収入が減る
    6. 気持ちがバラバラになると症状は悪化する
  4. 適応障害になったらどうなる?
    1. ストレスで体調が悪い
    2. 過剰なストレスで仕事のパフォーマンスは落ちている
    3. 我慢することで健康やプライベートにまで影響が
  5. 適応障害で休業するのは甘えではありません
    1. 休業中の人員の確保をする義務があるのは職場
    2. 休業したいのか退職するか、仕事をどうするのか自分で決める
    3. 休業中の過ごし方にも注意
    4. 体調が良くなっても、問題が解決しないと再発の可能性があります
  6. まとめ

仕事がつらい看護師のあなた、こんなことはないですか?

毎日過度の緊張感と義務感で頑張っているのがつらい

転職して数か月から数年は環境が変わって慣れるまでは不安や緊張を感じてしまいます
環境に慣れているベテランナースも仕事の重圧で不安や緊張はあります

看護師という仕事慢性的な人手不足で、看護師の仕事はきつい・汚い・給料安いの3kを通り越していったい何Kになっているのやら・・・です

大変な仕事ですが頑張っている看護師さんのおかげで医療体制は保たれています

人の命を扱う責任ある仕事

そんな緊張感義務感の毎日、疲弊しない訳がありません

若いナースはスキルアップしていく大変さ

ベテランナースは、新人の頃には分からなかったことを理解して重圧が増えていきます

マンパワーに余裕はなく、忙しすぎるから辞めていくスタッフがいるし

退職者がでるとさらに人員が減ってハードワークな日々

仕事ではない時も、ナースコールや救急車の幻聴が聞こえます

なんだか無気力で喜怒哀楽がなくなった、眠れないし急に涙がでる

慢性的に疲労感がありますか?

お休みの日でもぐったりして、何もやる気がおきませんでした

前は大笑いしていたテレビも面白くないし、見たいとも思わないし

なんだか自分の体の周りに膜が張ったようで、世界が色あせて見える

明日仕事で寝なくちゃダメだと思っても眠れなくて朝方ウトウトしたり

仕事中、悲しい状況じゃなくても、急に涙が出たりしていました

心と体がバラバラな感じ

ちょっと普通じゃないな、と自分でも思いました

体がうまく動かない?なんでもないことでミスをする

私の場合は仕事が忙しいからつらかった訳ではなく

パワハラや人間関係で精神的にまいってしまいました

人目があるところでの仕事が異常に緊張します

よくハサミやテープなどを落としたりしていました

包帯を落とすと、コロコロ転がって巻きなおさないといけなくなり

さらに慌てて頭に中はパニック状態

口の中は乾燥して砂漠のようで

唾液も出てきません

緊張と乾燥で、患者さんに説明するときに声がでなくなりました

完全に異常事態です

転職や部署移動で環境が変わってからなんだかおかしい

転職や部署移動をして数か月とかで適応障害になって悩んでいる看護師さんは多いです

私は転職して1年でやっと環境に慣れたと思っていたら

上司が変わり人間関係が悪化しました

症状が出始めたのは上司が変わって1か月たったころでした

否定的な人間関係は急激に精神状態に負担をかけるようです

それは適応障害かもしれません

自分の体調の異変は「うつ」なのだろうか

少しは疾患を知っている看護師なので、自分の体調が正常ではないと感じてはいました

インターネットで「うつ」を検索してうつ病のチェックをしました

結果は「早急に受診をおすすめします」でした

環境が良くなる気配もなかったので

心療内科を受診して、診断書をいただいて休ませてもらおうと受診を決意しました

適応障害は病気であり休む必要があります

適応障害はストレスとなっている原因や環境から距離を置くと症状が緩和されます

しかし放置しておくと適応障害からうつ病に移行することもあり、早めの対応が必要です

悪化すると回復するまでに時間がかかったり、再発のリスクが高まります

悪いのはあなたではありません

「ストレスで体調不良になるなんて、私はメンタルが弱いのか」

と自分を責める人がいます

適応障害になったあなたが悪いわけではありません

・原因はあなたではなくストレスを与えた人や事柄

・人数に対して仕事の量が多すぎる

・職場ストレスを解決していない雇用者

いろいろな要因が合わさった結果があなたの適応障害なのです
職場が「許容量を超える仕事をさせた」「人間関係が悪い職場の対応を怠った」結果、雇用者が適応障害になったということです

あなた以外にも同じようにつらい人がいる

同じように適応障害になってつらい思いをしていたり

うつ病になってしまった看護師さんはけっこういます

私もその中の一人です

「きついのはあなただけじゃないのよ?」

って言われるかもしれません

確かにきついのは自分一人じゃないのかもしれない

イライラして人につらくあたってしまっている看護師さんも

もしかしたら適応障害の症状の一部なのかも

みんな大変なのはわかるけど

他人を攻撃するのはやめてほしいと願います

適応障害でつらいのに休まない看護師さんが多い

適応障害という病気だし、体調が悪いなら休んだらいいのでは?

マジメすぎる看護師には、その「休むこと」ができなくて困っている方が大勢いるのです

仕事に行きたくない・辞めたい

「仕事に行きたくないよ~」

「もう仕事辞めた~い」

とよく同僚も言っていました

看護師あるあるです

頻繁に耳にするこのワードなので

適応障害で悩んで真剣に相談していても、他のスタッフにはなかなか理解されないことがあります

「私も~」って

そう言われるとなかなか「休ませてください」と言いづらくなります

それだけ看護師の働く環境はストレスだらけの職場なのでしょう

仕事が忙しくて他のスタッフに迷惑をかけてしまう

欠勤者がいなくても、ほとんどの医療機関は慢性的に人手不足です

急変や入退院がなくても通常業務を時間外をしてやっと仕事が終わる病院も多いでしょう

時間指定の投薬・食事・排泄・ナースコールなど
患者さんのケアは待ってはくれません

もし自分が休んだら、私の受け持つはずだった仕事が誰がするの?

もし急変があったら、他のスタッフが大変すぎる

マジメな看護師さんほど、責任感が強すぎてで休むなんてムリ

そんなマジメな人ほど適応障害になりやすいのです

休職したいけど「サボっている」と思われたくない

看護師のなかにも、体調不良の欠勤者がいると

「あの子サボってるんじゃない?」

という人がいるのを聞いたことがあるのではないですか?

自分も欠勤したら同じように悪く言われてしまうかもしれない

不安ですよね

最近はコロナの影響で発熱者の出勤が停止され休みやすくはなりましたが
自分が発熱していても、体が痛くても、お薬を飲んで出勤した経験がある人も多いでしょう

まさか私が適応障害(うつ症状)になるなんて

欠勤者がいると、自分の仕事の負担が増えるストレスからか

「メンタル病むなんて弱いよね」

「私はメンタル強いけどね」

という看護師さんもいます

「今」「その看護師」が適応障害になっていないだけで

過剰なストレスがかかれば、誰だって起こりえることなのです

自分自身も「自分は適応障害(うつ)にはならない」と思い込んでいました

適応障害という「病気」を看護する立場にいるものだと

ストレスも、根性でどうにかなると考えていました

適応障害の症状(当時はうつと思っていました)はありましたが

メンタルが弱いと思われたくなくて体調不良を隠して仕事していました

看護師は具合が悪くても「なんでもないフリ」が上手なのです

そんな生活も長くは続かなくなり、体調は悪化します

自分でも驚くほどあっけなく「適応障害」の診断はつき、看護師から患者になりました

今まで「自分は大丈夫」と思っていた自分が恥ずかしいです

休職すると収入が減る

適応障害の休業期間は、私の場合はまず1か月からスタートしました

長い方は数か月以上になる場合もあります

健康保険から「傷病手当」が支給されることになっても、仕事をしている時ほど収入はありません

普段でも「もっとお給料が高ければいいのにな」など思っているくらいです

「ノーワークノーペイ」という原則があります

(労働基準法24条)

労働者が何らかの理由により労働を提供しなかった場合、企業にも賃金を支払う義務は発生しないという概念です。

休業したいと考えていても
現実には貯蓄などがないと、生活は苦しくなります

気持ちがバラバラになると症状は悪化する

「仕事に行けそうにない」

「ちゃんと仕事しなくちゃ」

全く反対の感情が私の中に存在していました

するとどうなると思いますか?

感覚が鈍くなる感じ?

怪我をして血が流れても

痛くないような気がする

という自分の気持ちを他人のようにながめていました
心と体が離れている感じとでもいいますか・・・

「私、本気でやばいな」

と感じました

仕事を休むためには、病院へ行って休業の診断書を書いてもらおう

一応客観的に判断できて看護師でよかったなと思いました

適応障害になったらどうなる?

職場不適合の状態になることが多くあります

  • 遅刻、早退、欠勤の頻度が増える
  • 作業効率が落ちて仕事が遅い
  • ミスや小さなケガが増えた
  • 身だしなみを整えないで職場に出てくる
  • 些細なことイライラする
  • コミュニケーションを避けてひとりでいること多い
  • 他の人に悪く言われていると思い込むようになった

などが挙げられます

当てはまる看護師さんは多いのではないでしょうか

ストレスで体調が悪い

夜眠れなかったり、食事が入らなかったり

免疫力も低下していて風邪をひいたり、発熱したりしました

職場に出てきて仕事するのがつらくてたまりません

「顔色が良くないよ?」と以前なら言われていましたが

人間関係が悪化している職場にいるとスルーされたりします

かまってちゃん扱いされることもあるかもしれません

人間関係が良くないと、ちょっとしたことも悪く解釈されてしまい症状が悪化し余計につらい思いをします

過剰なストレスで仕事のパフォーマンスは落ちている

適度な緊張感は集中して作業するためには必要ですが

過剰な緊張状態は体が硬直して、頭の中は真っ白になります

手に持っているものをしょっちゅう落としていました

滅菌物を落として使えなくなってしまったこともあります

失敗したショックで叱られたりしなくても、自分を自分で責めていたりしました

自己肯定感や自己重要感が低下して

「自分はつまらない」と考えてしまいます

頑張らないと!と思えば思うほど緊張して失敗する「負のループ」になる危険があります

我慢することで健康やプライベートにまで影響が

つらいのを我慢して頑張ってみても、認めてもらえない

人間関係が悪くて仕事で挽回したいのにミスをする

人の健康や命に関わる仕事でもあり

失敗できない時もあります

体調が悪く十分な働きができないのであれば仕事を休むことも「責任ある体調管理」だと私は考えます

落ち込んで元気がない姿をみて家族も心配です

家事をするのもしんどくて、代わりに家事をしてくれたのも家族でした

話しかけられてもろくに返事もしなかったり

時にはイライラして八つ当たりしてしまったりします

家族のせいではないのに申し訳ないですよね

でも、あなたのせいでもありません

何度も言います

必要なのは休養で、治療です

何のために働いていますか?

健康を犠牲にしてまでしなくてはならない事ですか?

一番大切なことは、自分であり

夫や家族であってほしいです

看護師さんの代わりはいますけど

大事なあなた個人の代わりはいないのです

適応障害で休業するのは甘えではありません

休業中の人員の確保をする義務があるのは職場

「休業することで仕事に穴をあけてしまう」

と職場に申し訳なく思うことでしょう

確かに大丈夫とは言い切れない状況かもしれません

しかし人間である以上、なんらかの理由で休むことがあります

有給休暇の消化もすることがあるでしょう

誰かが休んでも仕事が回るように環境を作ることが職場の責任です

「こういう場合はどうするか」

予測して対策を考えておく必要があり、個人の責任ではありません

休業したいのか退職するか、仕事をどうするのか自分で決める

まずきちんと通院をして医師の診察・治療を受けます

そしてきちんと休養をとってください

体調が良くなって仕事の事を考えてもざわざわしなくなってから、今後のことを考えます

「人が足りなくて忙しくて大変だから早く復帰して」

と言われるかもしれません

自分を必要としてくれていると思って、療養途中で復帰してしまう人もいます

無理して再び体調が悪くなったり

期待するような仕事ができなくて周囲にがっかりされるのを感じて落ち込んだりする人もいました

職場が待っているのは「健康に働けるあなた」なのです

治療は数か月かかることもあります

焦らないで、十分体調が戻るまで治療に専念してください

長期に休むと職場環境が変わるかもしれないと心配でしょうが

人間関係がリセット気味になって、優しく接してくれる方も多いです

気持ちが落ち着いても

「元の職場に復帰する気持ちになれない」

と感じる時は、退職をすることも一つの方法です

部署移動が無いような小規模の職場だと復帰するのはむずかしいかもしれません

焦って早まることがないよう、病状が落ち着いてから判断しましょう

休業中の過ごし方にも注意

気持ちが落ち着いてきたら

散歩して体を動かしたり

どこかへ出かけたりしたくなることもあります

医師の判断にもよりますが

旅行やおでかけをするときに気を付けたいのが

「でかけました~楽しんでます」

とSNSに投稿したり
誰かに自慢したりすることです

職場ではあまり休みも取れず頑張っている人もいるかもしれません

休業している人が楽しく遊んでいると知ったらどう思うでしょうか

心無いことを言われてトラブルの原因になるかもしれません

気分転換はひっそりすることをオススメします

体調が良くなっても、問題が解決しないと再発の可能性があります

落ち込んだ気分が改善すると復職する方も多いでしょう

復職して間もないころは

無理のないように軽い業務から受け持たせてもらったり

時短勤務をしたり

職場の人と相談して仕事に慣れていきましょう

「今まで休んでいた分まで頑張ります」

と張り切らないよう注意してください

人間関係が原因で適応障害になっていた時は

復帰後にもとの職場に戻り、以前の人間関係と同様になると、症状が再発した事例もあります

環境を変えることが困難な場合は、転職するということも選択肢の一つになります

まとめ

なかなか理解されにくい適応障害ですが
自分でも実際に適応障害になってみて初めて分かったことが多かったです

自分が悪いから?

自分が弱かった?

そうではありませんでした

環境とか、集団の力とか

一人ではどうしようもないこともあります

上手くできないことも自分だけが原因ではないのかもしれません

マンパワー不足の職場や

ハラスメントが日常化している職場があって

悲しい思いをしている看護師さんたちがいるのかもしれません

十分なスタッフがいて

働きに応じたお給料がもらえて

誰もが安心できる環境で看護ができる世の中になって

看護師になりたいと思うような

夢のある職業になるといいな

と思います

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