特養看護師が病院と違うと感じること|看護の「頑張りどころ」が変わった

施設看護師(特養)のリアル
この記事は約4分で読めます。

病院から特養へ転職すると、最初は看護の形の違いに戸惑うことがあります。

病院では、検査や治療、処置など、医療そのものに関わる場面が多くあります。

一方、特養は入所者さんが毎日を過ごす「生活の場」です。

実際に働いてみると、私は少しずつ、

病院と特養では、看護の「頑張りどころ」が違うんだな

と感じるようになりました。


特養では、生活の中に看護のヒントがある

特養では、食事や排泄、移動、表情など、日常の何気ない場面をよく見ます。

「今日はいつもより食べていない」

「立ち上がるのに少し時間がかかっている」

「なんとなく元気がない」

そんな小さな変化が、体調を考えるきっかけになることがあります。

入所者さんに聞くと、

「大丈夫です」

「どうもありません」

と答えられることもあります。

だからこそ、言葉だけではなく、いつもの生活と比べてどうかを見ることが大切なのだと思います。

医療処置が多くなくても、看護師として見るものが少ないわけではありません。

むしろ、生活そのものが観察材料になる。

これは、特養で働いてから改めて感じたことです。


介護職の「いつもと違う」に助けられている

そして、特養では介護職からの情報がとても頼りになります。

介護職は、食事や排泄、移動などを通して、入所者さんの普段の様子をよく知っています。

そのため、

「今日はちょっと違います」

という変化を、看護師より先に見つけてくれることもあります。

私の勤務先では、夜間は介護職が少人数になる時間があります。

夜を担当する介護職にとっても、気になることはできるだけ昼間のうちに確認しておきたいのだと思います。

そのため、日中に小さな変化をよく報告してくれます。

私はその情報をもとに状態を確認し、必要があれば医療機関への相談や受診につなげます。

こうして昼間のうちに確認や対応ができると、夜間の急な対応につながる可能性を減らせることもあります。


「何もなかった夜」が、ちょっとうれしい

おかげさまで、私の勤務先では何も起こらない夜が多いです。

以前なら、「何もなかった」という一日は、あまり意識しなかったかもしれません。

でも今は、

何も起こらなかったなら、それが一番いい

と思います。

昼間のうちに介護職が変化に気づき、看護師が確認する。

必要なら早めに相談したり、受診につなげたりする。

食事や排泄、移動など、その方に合った生活を整えていく。

そうした小さな積み重ねの先に、

「今日も特に何もありませんでした」

という一日や一晩があるのかもしれません。


特養では「崩さない」ことも大切な看護

病院では、すでに起きている症状や病気に対して治療や対応をする場面が多くあります。

特養では、それに加えて、

今の生活をできるだけ穏やかに続けられるようにすること

にも看護師の役割があります。

大きく体調を崩す前に、小さな変化に気づく。

必要なときには医療につなげる。

そして、できるだけいつもの生活に戻ってもらう。

派手な仕事ではないかもしれません。

でも私は、この「崩さないための看護」が、今はけっこう好きです。


まとめ|看護力を使う場所が変わった

病院から特養へ来て、看護師としてやることが少なくなったとは感じていません。

看護力を使う場所が変わった。

その方が、私の感覚には近いです。

病院では治療や処置の中で。

特養では、食事や排泄、移動などの生活の中で。

介護職と一緒に「いつもと違う」を見つけながら、できるだけ穏やかな毎日を支えていく。

そして一日の終わりに、

「今日も何もなくてよかった」

と思える。

そんな看護もいいな、と今は思っています。


※本記事は筆者自身の勤務経験をもとに、病院勤務と特養勤務で感じた違いを紹介したものです。看護師の業務内容、人員配置、夜間体制、医療機関との連携方法などは施設によって異なります。体調変化への対応については、所属施設の手順や医師の指示等に沿って判断してください。

コメント