「さっき一緒に教えてよ」を減らしたい|特養で私が意識する「段取りと相談」

施設看護師(特養)のリアル
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特養で働いていると、入所者さんに移動してもらう場面がたくさんあります。

トイレ、お風呂、食堂、処置など。

そんなとき私は、

「せっかく移動するなら、ほかに一緒にできることはないかな?」

と、少し先まで考えることがあります。

なぜかというと、自分だったら、

「それなら、さっき一緒に教えてよ(笑)」

と思うからです。

せっかく移動して戻ってきたのに、

「このあと○○もあります」

と言われて、また移動する。

最初から分かっていたなら、先に教えてもらった方が自分で選べますよね。

私は入所者さんにも、なるべくそうしたいと思っています。

ケアより「そこにたどり着くまで」が長い

特養では、ケアそのものより、そこにたどり着くまでに時間がかかることがあります。

声をかける。

本人がどうするか考える。

「じゃあ行こう」と決まる。

立ち上がる準備をして、移動する。

そして、ようやくケアです。

入浴なんて特にそう。

「お風呂に入りましょうか」

と声をかけても、

「今日は入りたくない」

なんてこともあります。

入ると決まってからも、移動して、準備して、服を脱いで……。

浴槽に入るまでが長い(笑)。

だからこそ、同じ工程を何度も繰り返さなくて済むなら、その方が楽なこともあります。

先に伝えて、あとは本人に選んでもらう

たとえば、何かの用事で移動するときに、そのあと別の予定があると分かっていたら、

「このあと○○もありますけど、一緒にしますか?」

と先に伝えます。

「じゃあ一緒に」

となれば、そのままつなげる。

「それはあとがいい」

と言われたら、あとにする。

一緒にできれば、本人によっては、移動や準備を何度も繰り返す負担を減らせることもあります。

もちろん、二度移動することになっても、それはそれでいいと思っています。

本人が予定を知ったうえで選んだことだからです。

段取りするのは職員。決めるのは本人。

私がやっているのは、本人が選べるように、少し先の情報まで伝えておくことです。

トイレは待てません(笑)

もちろん、何でも一緒にすればいいわけではありません。

「トイレに行きたい」

これは待てません(笑)。

「このあと別の予定があるから、もう少し待ってください」

ではなく、まずトイレへ。

本人に必要なことが先です。

そのうえで、

「せっかく動いたなら、このあと何かつなげられるかな?」

と考えます。

効率のために本人を動かすのではなく、本人の動きに合わせて、こちらの段取りを調整する感じです。

入浴は「今ならいけそう」を拾う

入浴をあまり好まれない方の場合、予定の時間に声をかけても、

「入りたくない」

と言われることがあります。

スタッフとしては、できれば声をかけたときに入ってもらえるとありがたい(笑)。

でも、無理に入ってもらうわけにはいきません。

そんな方がトイレに行くために動かれたとき、

「今なら、このままお風呂にも行けそうかな?」

と思うことがあります。

そこで本人に声をかけてみます。

「じゃあ入ろうかな」

となれば、入浴担当のスタッフに相談。

可能なら順番を調整してもらい、本人の了承を得て、そのまま浴室へ向かいます。

本人の気持ちとタイミングが合ったところを、うまく拾えたらラッキーです。

もちろん、順番を代わっていただいた方への配慮も忘れません。

「順番を代わっていただいて、ありがとうございます」

という気持ちで、ちょっと丁寧におもてなしします(笑)。

一人がうまくいけば、ほかの人は我慢して当然、ではありません。

本人、ほかの入所者さん、スタッフ。

なるべくみんなが困らないところを探します。

「入りたくない」ときは、関わり方を変えてみる

本人が決めるといっても、

「入りたくない」

「分かりました」

で毎回終わるわけではありません。

声をかけるタイミングを変えたり、言い方を変えたり、ちょっと話をしてみたり。

「じゃあ行こうかな」

と重い腰が上がりやすくなるような関わりはします。

それでも嫌なら、可能な範囲でいったん保留。

またタイミングを見て声をかけます。

決めるのは本人。
でも、決めるまでの関わり方は職員にもできる。

そんなふうに考えています。

「待ち」が苦にならないからできるのかも

このやり方が、誰にでも楽とは限りません。

私は「あとで」となった仕事をいったん置いて、別のことをするのがそれほど苦にならないタイプです。

でも、終わっていない仕事が残っていること自体がストレスになる人もいると思います。

入所者さんにも、いつもの時間や順番の方が安心できる方がいます。

だから、これが正解という話ではありません。

単に、私はこのやり方が楽だったという話です。

本人も楽。スタッフも楽。それが理想

入所者さんのために考えたことが、結果としてスタッフの負担も減らしてくれる。

私は、そんな形が一番いいと思っています。

少し先まで段取りして、先に分かっていることは伝えておく。

タイミングが合えば、その流れに乗る。

合わなければ、また考える。

段取りするのは職員。
相談して、決めるのは本人。

本人にもスタッフにも、なるべく負担の少ないところを探す。

私はそんな働き方が楽です。


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