転職先は探しているけど、病院は若い看護師がバリバリ働くところじゃないの?
ひとことで「病院」と言ってもいろんな部署があります
「50代看護師の自分が病院に転職するのはムリ」なんて思っていませんか?
今回は30年以上病院勤務をして7回の部署移動を経験した筆者が17年同じ部署に在籍した方法をお話しします
筆者が勤めていた民間の医療法人になるので、すべての病院に当てはまりませんが転職活動の参考にされてください
この記事で分かること
・50歳看護師が病院に転職するのは難しいのか
・病院にはこんな部署があります
・希望の働く場所の伝え方例

自分にとって働きやすい病院の部署を探して、転職を成功させてください
50代看護師が病院に転職するのはむずかしい?
病院に転職したい50代看護師の不安~年代の壁はある?~
「病院勤務の正職員」といえば、フルタイムで夜勤もしてバリバリ働くイメージですね
私が以前勤めていた病院は、毎年たくさんの新卒看護師が入社し、病棟スタッフのほとんどが1~3年目の若い看護師でした
病院および有床診療所における看護実態調査では、医療法人の病院で50歳以上の正職員の数は5.6%という結果です 参考:日本看護協会「2019年 病院および有床診療所における看護実態調査報告書」
50代看護師の割合は18.9%なので、病院で働く50代の看護師は3~4人に一人ということになります
若いころから働き続けて50代になった看護師も多くいると考えられるため、新たに就職する50代看護師は少ない傾向にあると言えるでしょう
けれども体力的な衰えはあっても、得意な事・やりたいことや今までの経験を生かして働くことができます
自分の出来ることを理解し、アピールしていくことが大切です
病院にはこんな部署がある
一言で病院と言っても、さまざまな部署で看護師は働いています
仕事内容も様々です
夜勤のあり・なしや、定時での帰りやすさ、急な欠勤の祭の休みの取りやすさなど、自分のライフスタイルに合わせた働き方があります
参考に私が以前勤めていた医療法人の病院の部署と仕事内容をご紹介します
国立病院や公立の病院・大学病院などもありますが、年齢制限や就職試験があり、受験するのは新卒者が多いです
50代看護師の就職先としては、民間の医療機関の方が転職しやすいでしょう

外来
外来は常勤の看護師は夜勤がありますが、パートタイム勤務の看護師は日曜祭日はお休みで9時から15時まで、午前中のみなどライフスタイルに合わせて時短で働くことができます
時間外は夜勤の看護師に引き継ぐため、時間外はほとんどありません
処置室・・・採血・点滴・処置をします
シフト制でその日の担当部署が決まります
救急対応もします
外来診察・・ドクターの診察担当の看護師です
科によっては専任のナースが担当します
病棟
病棟看護師は正職員は月に3~8回ほど夜勤があります
夜勤手当とは別に、3回以上の夜勤をすると手当が出ていました
パートの看護師もいますが、外来に比べると人数割合は少ないです
外来と違って、時間になっても業務が終わらず退勤できないパート看護師もいます
病棟の中でも役割があり、①リーダー業務②部屋もち担当で患者さんを直接受け持つ看護師③フリーで処置や検査出しをおもに行う看護師④学生指導などあり日によって采配されます
部屋もちの時は、朝30分くらい前残業(無給)で自主的に情報収集しないと仕事に支障がありました
退勤時間も部屋もちの時の方が記録が残っていて遅くなる傾向にあります
入院があると、通常業務に追加して患者さんの情報を取ったり、指示受けや薬の整理・看護計画立案・書類業務など業務量が多いため忙しくなります
内科病棟
循環器・・・・比較的入退院があります
心臓カテーテルなどの特殊な検査もあります
糖尿病など・・血糖コントロールで一時的に入院される患者さんが多めでした
インスリンでのコントロールや生活指導など学べます
こちらも入退院は多めでした
看護体制は7対1です
障がい者病棟・脳疾患の後遺症やALSなど難病の患者さんが多めでした
人工呼吸器管理の方もいます
寝たきりの患者さんが多くて、おむつ交換や清拭・体位変換など体力がいるケア多かったです
直接入院はほとんどなく、他の病棟からの転入受け入れがほとんどでした
看護体制は10対1で看護師一人当たりの受け持ちが多くなります
療養病棟・・・長期入院の病状が落ち着いた患者さんが多いです
転入が多く入院も長期のため、直接入院する患者さんはほとんどいませんでした
15対1看護でしたので、看護師の割合は少なく看護師一人当たりの受け持ちはとても多いですが、介護スタッフも多くいます
外科病棟・・・整形外科・外科・脳外科などがあります
入退院や手術がありますので忙しいですが、若いスタッフが多かったです
7対1看護でしたので看護師一人当たりの受け持ちは少なめです
ICU・・・・・重症度が高く2対1看護です
年齢層は若いです
常に満床ではないため、入院患者数0人の時もあります
入院患者がいない時は若手はリリーフで他の病棟の業務をします
OPE室・・・・病棟移動で動くことは少なく、長期に勤務されている方が多かったです
手術の介助に必要な高い知識と技術が求められます
夜勤はありませんが、緊急手術の祭はオンコール体制で対応します
透析室・・・・夜間透析もありますので、2交代です
日勤のみのパートタイムの看護師も多くいます
だいたい定時に帰れる職場です
デイケアセンター・・・介護が必要な高齢者に日帰りでリハビリや入浴・食事の提供を行います
看護師は体調管理や処置などの業務があります
日勤のみの勤務でだいたい定時で帰れますが、記録などが終わらず残業することもあります
日曜は休みの事業所が多いですが、祭日やお盆・正月は営業する場合も
地域医療連携室・・・他の病院や施設などと連絡調整をします
日勤のみで、日祭休みです
残業もほとんどありません
サプライ・・・日曜祭日は休みでだいたい定時で終わります
プラチナナース(60歳以上)や年配ナースがいました
セッシやガーゼなどの物品の回収・滅菌・配達・管理をされています
入職者が配属されやすい部署
就職してすぐは個人の能力をみながら無理のない業務を先輩ナースのサポートのもと業務に慣れていきます
とはいえ就職したとき、管理者が配属したいと思うのは人員の不足している部署です
特に希望する分野や資格がない時には足りない所の補充に充てられ、経験豊富な50代看護師は即戦力として求められる可能性があります
比較的体力がいらない人気のある部署には空きが無く、なかなか配属されない場合が多かったです
病院で働いているスタッフの中にも子育て中の方や年齢的に体力が衰えてしんどいので、体力的に楽な部署に移動したいと希望する看護師も多く、移動の希望を出して年単位で空きが出るのをまって移動していました
どういう働き方を希望するか明確にする

勤務の時間
フルタイムで働くのか、パートタイムで時短で働くのか
具体的には何時から何時までか
土日に出勤できるのか
夜勤がある部署もあるし、夜勤専従などの働き方もあります
夜勤をする場合も月に7~8回は入れるのか、最低限でお願いしたいのか
以前の職場では、「夜勤精勤手当」があり、月に3回以上の夜勤をすると1万円支給されていました
私は夜勤精勤手当がもらえるように、3回以上の夜勤をするよう調整していました
就職時は病院の必要な人材と自分の希望のちょうどいいところを話し合うことになります
無理な事を「できる」と言って仕事を続けることが困難になってもいけませんが、あまり出来ないことが多いと、不採用になる原因になりますので注意しましょう
年収
病院規定の基本給がありました
経験と年齢を考慮してという病院もあります
「前の職場ではどれくらいもらっていたの?」「給料はいくら欲しいの?」などの質問されることがありますので、答えられるようにしておきましょう
伝えるのは「総支給額」です
銀行に振り込まれているのは「手取り」です
手取りの方が金額が少なくなるので間違えないようにしてください
夜勤をすると月に5万円前後収入が増える場合が多いです
配偶者の扶養内で働こうと思っている方は、きちんと伝えて収入の調整をされていました
福利厚生
たいていの病院は健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険などの加入はあると思います
私の勤めていた病院は「退職金」がどうなっているのか知りませんでした
公務員などですと、退職金が1千万以上などもあるのかもしれませんが、私は30年以上勤めても退職金は180万ほどでした
50歳過ぎの就職だと、勤務年数が少ないため特に重要視する項目ではありませんが、無いよりあった方がいいです
変わった福利厚生がある所は、格安で温泉地の別荘が利用できるとか、球場で野球観戦できる部屋を年間契約してあって利用できるなどありました
私が以前勤めていた病院は、法人内に受診した時の医療費が優遇されていました
就職してしまうと、福利厚生のことをなかなか聞く機会はありませんで確認しておくといいですね
希望する部署に配属してもらうには
正社員で転職したいけれど自信がない
やっぱりボーナスは欲しいので正社員を目指したい
だけど、仕事と家庭と両立で大変なのに夜勤までできるかな?という不安もあると思います
今は自信がないけれど正社員で働きたいと希望を伝えると、どうしたら正社員として働くことができるか考えてくれる協力的な職場もあります
「日勤で慣れてたら夜勤をすることを検討したい」と考えているなど相談してみるのもいいでしょう
正社員での働き方が無理だと思ったら、パートタイムでの勤務体制に変更される方もいます
興味がある分野や行きたい部署があればアピールする内容を考えておく
「これを勉強したいです」とアピールすると、意欲がある分野に配置されやすくなります
病院だと研修や勉強会などがあり、「学習」に力を入れているところも多いです
あまり意欲を見せすぎると役割が増えてオーバーワーク気味になってしまいますので、家庭と両立の方は仕事とのバランスに気を付けましょう
別の部署に配属されても、希望の部署に空きが出来たときには先に声をかけてもらえたりします
また、「夜勤が無い方がいい」とか「土日はお休みがいい」と希望がある場合は、あえて夜勤がない部署・土日休みな部署の仕事内容に興味がありますと伝えておくと希望部署に配属してもらえるケースがあります
夜勤が無い部署が希望の方が「透析に興味があります」といって夜勤のない透析室へ配属してもらっていました
どの部署が自分の希望の働き方に近いのか知っておく必要があります
自分の予想と違う場合がありますので、配属先の希望は勤務内容を確認してから伝えましょう
自分から希望して配属されると「自分が希望してきたんでしょ」と次の移動願いが言い出しにくくなります
転職先の希望の伝え方例
私の場合は①夜勤なし②日曜祭日休み③定時で帰りたいと希望していました
その条件だと外来か透析室かデイケアか地域医療連携室かサプライ
地域医療とサプライは空きなしとのこと
「介護分野にかかわってみたいです」
とデイケアセンターに行きました
やる気があるように取られたようで、良い印象をもってもらえたようです
介護支援専門員の資格もここで取得しました
その後は病棟移動が17年間なく、デイケアセンター+訪問診療分野で仕事させていただき良かったです
まとめ
いかがですか?病院の仕事内容のイメージはつきましたか?
30年以上病院勤務をしていて、仕事がきついからと退職した人たちも、同じ病院に再就職で戻ってきていますので病院勤務も悪くないと思われていることでしょう
みなさまの転職が成功しますように!

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