50代になって、看護師として思うこと
「今日、注射が入らなかったらどうしよう」
出勤前や、処置の時間が近づくたびに、
ふと頭をよぎるこの言葉。
若いころは、
採血もルート確保も、そこまで苦手意識はありませんでした。
「入らないこともあるけれど、まあ何とかなる」
そんな感覚でやってこられたと思います。
けれど50代になった今、
老眼で血管が見えにくくなり、
以前よりも手元に集中力が必要になりました。
「前は、もう少しうまくできていた気がする」
そう感じる場面が増えてきました。
看護師でも、注射が怖くなるときがある

看護師だからといって、
注射が必ず一発で入るわけではありません。
血管は人それぞれです。
細い方、見えにくい方、蛇行している方、
少し触れただけで内出血してしまう方。
そこに
「ここしか入らないから」
と言われると、正直なところ、心臓が少しドキッとします。
入らなかったときに
「下手だね」
「前の病院では一回で入ったのに」
と言われることもあります。
分かってはいます。
患者さんだって、痛い思いをしたくないだけです。
それでも、
言葉として受け取ると、やはり少しへこみます。
「注射が苦手」=すべての注射ができない、ではない
「注射が苦手」と言うと、
看護師として失格のように感じてしまう方もいるかもしれません。
でも実際には、
多くの看護師さんが悩んでいるのは
静脈注射や採血です。
筋肉注射や皮下注射は問題ない、
という方も多いのではないでしょうか。
「全部ができない」のではなく、
「入りにくい血管の方に当たったらどうしよう」
という不安。
その不安が積み重なって、
注射業務そのものがつらくなってしまうのだと思います。
年齢とともに、働き方を変えてもいい
私は長く医療法人で働き、
さまざまな部署を経験してきました。
その後、クリニックへ転職しましたが、
少人数体制の中で注射が入らないと、
交代することも難しく、
時間だけが過ぎていく場面がありました。
「人がいない」
「忙しすぎる」
そんな環境では、
注射が苦手なことが大きな負担になります。
50代になって思うのは、
若いころと同じ働き方を続けなくてもいい
ということです。
注射が少ない職場という選択

注射が苦手でも、
看護師として必要とされる職場はあります。
たとえば、
特別養護老人ホームなどの介護施設。
主な仕事は健康管理や内服管理、
創処置や状態観察です。
静脈注射が必要な状態であれば、
早めに病院受診につなぐことがほとんどです。
訪問看護も、
注射の頻度はそれほど多くありません。
最近では、血管確保が難しい方は
CVポートを造設して退院されるケースも増えています。
「注射が苦手」という事情を事前に共有できれば、
シフト調整や応援体制を取ってくれる事業所もあります。
注射をしない働き方も、看護師の仕事
注射は医療行為です。
医療行為がほぼない職場を選べば、
注射への不安から解放されます。
デイサービスやデイケア、
訪問入浴、保育園、市の健康診断サポートなど。
最近は
「医療行為をしない看護師」を
必要としている現場も増えています。
観察力、判断力、
「何かおかしい」と気づく力は、
長年の経験があるからこそ身についているものです。
▶50代看護師のデイサービス・デイケア転職|仕事内容・給料・向いている人を正直に解説
無理をしない選択をしていい
注射が苦手になったからといって、
看護師としての価値が下がるわけではありません。
年齢とともに、
できなくなることが出てくるのは自然なことです。
その代わり、
見えるもの、気づけること、
支えられる場面は確実に増えています。
「注射が少ない職場を選ぶ」
それは逃げではなく、
これからも長く働くための一つの工夫です。
私自身の経験が、
誰かの気持ちを少し軽くできたなら幸いです。
















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