「爪、伸びてますね」と言われる前に。特養で働く施設看護師が気がけている爪のこと

施設看護師(特養)のリアル
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先日、入所者さんの急変で病院を受診しました。

診察を待ちながら、ふと手足を見ると、
「あ……爪、伸びてる」
ちょっと恥ずかしくなりました。

急変だったので、もちろん爪を整えてから受診するような状況ではありません。
それでも病院という普段とは違う場所で見ると、なぜか急に目につくんですよね。

特養で働いていると、爪切りはどうしても後回しになりやすいケアです。
体調不良や受診、薬、処置など、その時に優先しなければならないことがたくさんあります。

でも私は、爪って意外と大事だと思っています。

爪は「伸びているだけ」で終わらないこともある

足の爪が伸びすぎると、靴下などに引っかかることがあります。

実際に爪を引っかけて、出血してしまうこともあります。
手の爪も、長くなっていると本人や周囲の人の皮膚を傷つけることがあります。

認知症のある方などで、介護を嫌がって手を振り払った時に、職員が引っかかれてしまうこともあります。

もちろん、少し伸びたからといって、すぐ何かが起きるわけではありません。

それでも、
「切っておけばよかった」
となる前に、できる範囲で整えておきたいと思っています。

手の爪より、足の爪は気づきにくい

手の爪は、食事や処置など日常の関わりの中で目に入りやすいです。

一方で、足の爪は靴下を履いていると見えません。
看護師が毎回靴下を脱がせて、足の爪まで確認しているわけでもありません。

入浴や更衣などで足を見る機会が多いのは、むしろ介護士さんです。

そのため私は、
「足の爪が伸びていたり、気になるところがあったら教えてね」
とお願いしています。

普段の爪切りを介護士さんがしてくれることもあります。

一方で、爪や周囲の皮膚に異常がある場合や、専門的な管理が必要そうな場合は、看護師へつないでもらっています。

全部を一人で見るのではなく、気づいた人が次の人につなぐ。
施設では、こういう連携が大事だと思っています。

家族の方が先に気づくと、ちょっと気まずい

ときどきあります。

面会の後、家族の方から、
「爪、切ってください。」
と言われること。

正直、ちょっと気まずいです(笑)。

「見れてなかったなあ」と思います。
家族が来られる時や、行事、写真を撮る時などは、普段以上に手元や足元が目につきます。

だから私は、できるだけ普段から気がけるようにしています。
「家族に言われないため」というより、細かいところまで整っていると、やっぱり本人もきれいに見えます。

こういう地味な部分も、施設で暮らす方の生活を整えるケアの一つなのだと思います。

爪切りは大事。でも「今すぐ」とは限らない

爪切りは大事です。
ただ、見つけた瞬間に何でも切ればいいとも思っていません。

たとえばイベントの準備などで忙しい時に、
「爪が伸びているから、今すぐ切って」
となると、正直ちょっとしんどい時もあります。

どこかではやらないといけない。
だったら、できれば落ち着いてできるタイミングを自分で決めたい。

爪切りは意外と集中しますし、難しい爪ならなおさらです。

一方で、

  • 爪が割れている
  • どこかに引っかかりそう
  • 出血している
  • すでに皮膚を傷つけている

など、そのままにしておかない方がよい状態なら、状態を確認して必要な対応をします。

私の中では、
「今すぐ対応した方がいい爪」と、「落ち着いた時に整えればいい爪」
を分けています。

爪切りに限らず、現場では「何をするか」だけでなく、「いつするか」も大事だと思っています。

地味だけど、暮らしを整えるケア

特養では、毎日いろいろなことがあります。
その中で爪切りは、どうしても優先順位が下がりやすい仕事です。

だからこそ、

手の爪を見る。
靴下が脱げた時には、足の爪も見る。
自分で対応が難しければ、できる人につなぐ。

そんなふうに、できる範囲で気がけています。

私自身、いつも完璧に見られているわけではありません。

今回のように、受診先で伸びた爪を見つけて、
「しまったなあ」
と思うこともあります(笑)。

それでも、こういう小さなところに気づけることも、施設で暮らす方を支えるケアの一つだと思っています。

爪切り。

とても地味ですが、これからも忘れずに気がけていきたい仕事です。

※この記事は、私が特別養護老人ホームで働く中で感じていることや、実際の経験をもとに書いています。爪や周囲の皮膚の状態によっては、通常の爪切りでの対応が難しい場合もあります。無理に処置せず、それぞれの施設の方針や必要に応じて医療職へ相談してください。

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