【50代看護師の転職】訪問看護・訪問診療という選択肢|病棟がつらくなったと感じたら

看護師
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50代看護師、病棟勤務がつらくなったら。訪問看護・訪問診療という働き方

※この記事は、病棟勤務から在宅医療への転職を検討している50代看護師に向けて、
筆者の実体験をもとに、訪問看護・訪問診療の働き方をまとめたものです。


「最近、病棟勤務が体力的につらくなってきた」
「夜勤を、この先も続けられる気がしない」

私自身、50代に入り、同じような思いを抱くようになりました。
若いころは当たり前にこなしていた夜勤や急変対応が、
少しずつ身体にこたえるようになってきたのです。

それでも、
「今さら違う分野に行けるのだろうか」
「病棟を離れたら、看護師としてやっていけないのでは」
そんな不安があり、なかなか一歩を踏み出せずにいました。

50代で転職を考える看護師さんの多くが、
同じような葛藤を抱えているのではないでしょうか。

そんな中で知った働き方が、訪問看護・訪問診療でした。

この記事では、
看護師歴30年以上、在宅医療(訪問診療・訪問系業務)を17年経験した筆者が、

  • 訪問看護・訪問診療の仕事内容と違い
  • 50代看護師でも転職は可能なのか
  • 訪問系のメリット・デメリット
  • 50代だからこそ求められている力

について、実体験をもとにお伝えします。

病院以外の働き方を知ることで、
「この先どう働くか」の選択肢は確実に広がります。
ご自身のペースで読み進めてください。


訪問看護・訪問診療とは?

まず結論:この2つは似ているようで役割が違う

簡単に整理すると、以下の違いがあります。

  • 訪問看護:看護師が主体となり、一人で利用者さん宅を訪問
  • 訪問診療:医師に同行し、診療を支える役割が中心

どちらも在宅医療ですが、働き方や責任の持ち方が異なります。


訪問看護とは

訪問看護は、病気や障害があっても、
住み慣れた自宅や施設で生活したい方のもとへ看護師が訪問し、
必要な看護を提供する仕事です。

主なケア内容は、

  • バイタルチェック、服薬管理・指導
  • 食事・排泄・入浴などの生活支援
  • 吸引、排痰ケア、カテーテル管理
  • 創処置、褥瘡ケア
  • 医師・ケアマネジャーとの連携

人工呼吸器や在宅酸素など、
医療依存度の高い利用者さんを担当することもあります。

一日の流れ(例)

  • 8:30 朝ミーティング・訪問準備
  • 9:00〜16:30 訪問(昼休憩は訪問状況により調整)
  • 17:00頃 事務所帰着・記録
  • 17:30 業務終了

※24時間対応の事業所では、交代制でオンコールがあります
※体制や働き方はステーションによって異なります


訪問診療とは

訪問診療は、通院が困難な患者さんのもとへ、
医師が定期的に訪問して診療を行う医療です。

看護師は医師に同行し、診療の補助や患者さん・家族の支援を担います。

主な役割は、

  • 診療補助、処置介助
  • バイタルサイン・全身状態の観察
  • 家族への説明・相談対応
  • 訪問看護・介護サービスとの調整

急変時には臨時訪問や、必要に応じて入院調整を行うこともあります。

一日の流れ(例)

  • 8:30 ミーティング・物品準備
  • 9:00〜16:30 訪問(訪問件数はやや多め)
  • 17:00頃 帰所・片付け
  • 17:30 業務終了

※記録は医師カルテが中心で、看護師の記録業務は少なめな職場もあります
※オンコール体制はクリニックによって異なります


雇用形態・給与について

訪問系の仕事は夜勤がないため、
病棟勤務と比べて月給が下がるケースは少なくありません。

私が勤務していた法人でも、
病棟勤務時代より月に数万円少ない給与でした。
夜勤手当がなくなることが、主な理由です。

一方で、

  • オンコール待機手当
  • 臨時訪問時の時間外手当

が加算される場合もあります。

※給与は地域・法人・役割によって差が大きく、一概には言えません
※オンコールには待機中の拘束感がある点も理解が必要です


50代看護師でも訪問の仕事はできる?

看護師転職

体力的についていける?

病棟勤務と比べると、
体力的な負担は軽く感じる人が多い印象です。

  • 移動は車が中心
  • 重い介助は複数名訪問や他職種と連携
  • 夜勤がなく、生活リズムが安定

ただし、
エレベーターのない集合住宅など、
体力を使う場面があるのも事実です。


一人で訪問するのが不安

訪問看護は基本的に一人訪問ですが、

  • 最初は同行訪問
  • 新規や重症の利用者さんは複数名対応

など、段階的に慣れていける体制を整えている事業所が多いです。

訪問診療は医師同行のため、
基本的に一人で判断する場面はほとんどありません。


運転・道が不安

現在はスマホナビやカーナビが普及しており、
大きな問題になることは少なくなっています。

慣れるまでは、
決まったルートで訪問する、同行訪問で道を覚えるなどの工夫も可能です。


訪問系のメリット・デメリット

メリット

  • 自分のペースで働きやすい
  • 人間関係のストレスが少ない
  • 夜勤なし・日祝休みの職場が多い
  • 利用者さんとじっくり関われる

病棟のように常に時間に追われる感覚が少なく、
「看護の原点に戻れた」と感じる人もいます。


デメリット

  • 一人で判断する場面がある
  • オンコールによる拘束
  • コミュニケーションが難しい利用者・家族もいる
  • 衛生環境が整っていないお宅もある

不安なときは一人で抱えず、
報告・連絡・相談を徹底することが大切です。


50代看護師に求められていること

経験に基づくアセスメント力

「何か、いつもと違う」
その小さな違和感に気づける力は、
長年現場を経験してきた看護師ならではの強みです。

落ち着いたコミュニケーション

話し上手である必要はありません。
相手の話を聞き、受け止める姿勢が、
利用者さんや家族の安心につながります。

生活者としての視点

服薬状況、食事内容、住環境など、
生活全体に目を向けられる視点は、
在宅医療の現場で大きな力になります。


向いている人・慎重に考えたい人

向いている人

  • 夜勤を減らしたい・体力負担を抑えたい
  • 利用者さんとじっくり関わる看護がしたい
  • 一人の時間や落ち着いた環境が苦にならない

慎重に考えたい人

  • 車の運転が難しい
  • 一人での判断が強いストレスになる

まとめ

訪問看護・訪問診療は、
病院とは違う形で「人の暮らしに寄り添う看護」ができる仕事です。

50代看護師の

  • 経験
  • 落ち着き
  • 視野の広さ

は、在宅医療の現場で確実に求められています。

「病棟勤務がしんどくなってきた」
そう感じたとき、
すぐに転職しなくても構いません。

まずは、
「こんな働き方もある」と知るだけでも十分です。

これからの働き方を考える一つの参考になれば幸いです。

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