「夜勤がつらくなってきた」
「できれば次は、夜勤のない職場で働きたい」
そんなふうに考えて、特養への転職を検討する看護師さんもいると思います。
特養では、看護師が日勤中心で働き、夜間はオンコール体制をとっている施設があります。
私自身も現在、夜勤はなく、オンコールを担当しながら特養で働いています。
ただ、ここで知っておきたいのは、
「夜勤なし=夜間の負担がまったくない」ではない
ということです。
私はこれまで、病棟夜勤、19床の病棟がある整形外科クリニックでの日勤+宿直、訪問診療のオンコール、そして現在の特養でのオンコールを経験してきました。
振り返ってみると、同じ「夜間も仕事に関わる働き方」でも、負担の種類はかなり違います。
この記事では、私自身の経験をもとに、特養の「夜勤なし」という働き方について紹介します。
特養看護師の仕事内容全体を知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
関連記事:特養看護師の仕事内容とは?病院との違いや働き方を現役看護師がわかりやすく解説
特養看護師は夜勤なしで働ける?
特養では、看護師が日中を中心に勤務し、夜間は介護職が勤務して、必要時に看護師へ連絡するオンコール体制をとっている施設があります。
そのため、夜勤なしで常勤看護師として働ける求人を見つけることは可能です。
現在の私も、日勤を中心に働いています。
病院で夜勤をしていた頃と比べると、生活リズムはかなり整いやすくなりました。
ただし、すべての特養が同じ勤務体制というわけではありません。
夜間の看護体制やオンコールの有無、看護師の勤務時間などは施設によって異なります。
求人を見るときには、「夜勤なし」という言葉だけでなく、夜間をどのような体制で支えている施設なのかまで確認しておくと安心です。
夜勤なしでもオンコールがあることはある
夜勤がない施設でも、夜間に入所者さんの状態が変化したときに備えて、オンコールを担当する場合があります。
私の勤務先もこの形です。
オンコール当日は、自宅などで過ごしながら連絡に備えます。
必要があれば電話で状態を確認し、直接確認や対応が必要な場合には施設へ向かうこともあります。
ですから、
「夜勤がない=仕事が完全に日中だけ」
とは限りません。
一方で、オンコールの実際の内容や負担は施設によってかなり違います。
オンコールで何をしているのかについては、別の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:特養看護師のオンコールは何をする?実際の対応と流れを現役看護師が紹介
夜勤とオンコールは「どちらが楽」とは簡単に比べられない
夜勤とオンコールは、負担の種類が違います。
病棟夜勤では、勤務中は職場にいて、その時間帯の患者さんを担当します。
忙しい夜もありましたが、私の場合は、勤務が終われば帰宅し、翌日は休みでした。
一方、オンコールは自宅にいられますが、連絡が入る可能性を考えながら過ごします。
必要があれば夜間に出動し、そのあと翌日が通常勤務になることもあります。
そのため私は、「職場にいる時間」だけを見て、夜勤とオンコールのどちらが楽かを決めることはできないと思っています。
私が経験した夜間勤務は、それぞれ負担が違った
私はこれまで、いくつかの形で夜間の仕事を経験してきました。
病棟夜勤
病棟では、決められた勤務時間の中で患者さんを担当します。
夜間に状態が変化する患者さんもいますし、処置やナースコールなどが重なることもあります。
体力的には大変でしたが、私の場合は勤務が終われば帰宅し、翌日は休みという区切りがありました。
19床の整形外科クリニックでの日勤+宿直
整形外科クリニックでは19床の病棟があり、日勤に続いて宿直をする勤務も経験しました。
日勤から翌朝まで職場にいるため、拘束時間そのものは長くなります。
宿直中は休める時間があり、実際に睡眠も取れていました。
ただ、宿直は一人体制だったため、「夜間に何かあったら自分で対応しなければならない」という緊張感がありました。
特に転倒リスクの高い方が入院していると、
「何か起きないかな」
と気になって、完全に気を抜いて眠れる感じではありませんでした。
体を横にして休める時間はあっても、一人体制ならではの精神的な負担はあったと思います。
訪問診療のオンコール
私が一番負担が大きいと感じたのは、訪問診療のオンコールです。
当時も現在の特養も、オンコールを担当する看護師は2名体制でした。
でも、同じ2名体制でも負担はかなり違いました。
訪問診療では、夜間に連絡が入ると、そのまま臨時往診につながることが多くありました。
いったん往診に出ると、患者さんの状態やそのときの問題にひと区切りつくまで対応が続きます。
「少し対応して帰る」というわけにはいかないため、1回の出動にかかる時間も長くなりやすい働き方でした。
さらに、スタッフ数そのものが多くなかったため、夜間に臨時往診へ出ても、翌日は通常どおり勤務することがほとんどでした。
また、日曜や祝日はクリニックが休診だったため、夜間だけでなく、休診日の日中もオンコール体制でした。
そのため、待機する時間そのものが長くなります。
私にとっては、
連絡の頻度
+ 出動につながることの多さ
+ 1回の対応時間
+ 休診日の日中待機
+ 翌日の通常勤務
まで重なる訪問診療のオンコールは、病棟夜勤とはまた違う意味で大変でした。
今の特養オンコールは、私には負担が比較的少ない
現在の特養でも、オンコール当日は連絡に備える必要があります。
呼び出しがあれば施設へ向かうこともありますし、翌日が通常勤務になることもあります。
ですから、負担がないわけではありません。
それでも、これまでの夜間勤務を振り返ると、私は今の特養のオンコールを比較的負担が少ないと感じています。
私の勤務先では、日中は通常勤務の職員が対応しているため、休日の日中までオンコール担当として待機するわけではありません。
訪問診療のように、連絡が入るたびに長時間の臨時往診になるわけでもありません。
同じ「オンコールあり」でも、待機する時間帯や連絡の頻度、1回の対応にかかる時間によって、負担は大きく変わるのだと実感しています。
私の「大変さの基準」も変わってきたのかもしれない
ただ、もうひとつ考えていることがあります。
今の特養のオンコールをそれほど大きな負担に感じないのは、職場の体制だけでなく、私自身の「何を大変と感じるか」という基準が変わってきたからかもしれません。
これまで病棟夜勤、宿直、訪問診療のオンコールを経験してきました。
その中で私は、「夜に仕事をすること」そのものよりも、
終わる時間が読めないこと
翌日の勤務まで負担が続くこと
長い時間、呼び出しに備え続けること
を大変だと感じるようになった気がします。
そう考えると、今の特養の働き方は、現在の私の基準に合っているのだと思います。
これは、特養のオンコールが誰にとっても楽という意味ではありません。
過去にどんな働き方をしてきたかによって、同じ勤務条件でも感じ方は変わるのではないでしょうか。
振り返ると、転職するたびに負担は少なくなっていた
自分の職歴を振り返ってみると、面白いことに気づきます。
夜間勤務やオンコールの負担は、私の感覚では、
訪問診療 > 病棟 > 19床の整形外科クリニック > 現在の特養
という順でした。
結果的に、転職するたびに少しずつ、私にとって負担の少ない働き方へ移ってきたことになります。
でも、収入まで下がってきたわけではありません。
むしろ私の場合は、経験を重ねる中で収入は上がってきました。
もちろん、転職すれば自動的に収入が上がるという意味ではありません。
これまで、その時々で仕事に必要とされた資格や研修を受けてきました。
訪問診療で働いていた頃にはケアマネの資格を取り、病棟勤務では医療的ケアや認知症ケアについて学ぶ機会がありました。
当時は、「将来、特養で働くために」と考えていたわけではありません。
でも今振り返ると、それまでの経験や学びが、現在の特養での仕事にもつながっています。
資格によっては、あとから資格手当として給与に反映されたものもありました。
その時々で必要だと思って積み重ねてきたものが、あとになって働き方の選択肢を広げてくれた。
そんなふうに感じています。
50代では「できる仕事」より「続けられる仕事」を選んでもいい
若い頃は、
「夜勤ができる」
「長時間働ける」
「忙しくても何とかこなせる」
ことが、働ける看護師の条件のように感じていた時期もありました。
でも、長く働いてきた今は少し考え方が変わりました。
仕事は、できるかどうかだけではなく、この先も無理なく続けられるかどうかも大切です。
その意味で、夜勤なしで働ける特養は、私にとって今の生活に合う選択肢になっています。
経験や資格を活かしながら、負担の種類を変えて働く。
50代の転職では、そんな選び方もあっていいと思っています。
なお、夜勤やオンコールなど夜間の対応そのものが難しい場合には、パート勤務など別の働き方を選べる施設もあります。
勤務形態や担当範囲は施設によって異なるため、求人条件を確認してみてください。
夜勤なしで特養を探すなら、夜間の体制まで確認する
「夜勤なし」を希望して求人を見るときは、勤務時間だけでなく、夜間の体制も確認しておくことをおすすめします。
たとえば、
夜勤は本当にないのか
オンコールはあるのか
どのような体制で夜間対応しているのか
といった点です。
オンコールがあるから候補から外す必要はありません。
逆に、「オンコールなら夜勤より楽」と決めつける必要もありません。
大切なのは、実際の中身を知って、自分に合う働き方かどうか判断することです。
オンコールが不安なときに転職前に確認しておきたいことは、こちらの記事にまとめています。
関連記事:特養のオンコールが不安な看護師へ|転職前に確認したい3つのポイント
まとめ|特養は「夜勤なし」で働きたい看護師の選択肢になる
特養では、看護師が日勤中心で働き、夜間はオンコール体制をとっている施設があります。
そのため、夜勤なしで働きたい看護師にとって、特養はひとつの選択肢になります。
ただし、
夜勤がない=夜間の負担がない
ということではありません。
私自身、病棟夜勤、宿直、訪問診療のオンコール、特養のオンコールを経験してきましたが、それぞれ大変さの種類は違いました。
そして今は、同じオンコールを担当するなら、現在の特養の働き方の方が自分には合っていると感じています。
もしかすると、職場だけでなく、長く働く中で私自身の「大変さの基準」も変わってきたのかもしれません。
夜勤ができるかどうかではなく、自分が無理なく続けられる働き方かどうか。
50代になった今は、そんな基準で職場を選ぶことも大切だと思っています。
※本記事は筆者自身の勤務経験をもとに、特養看護師の夜勤・オンコールについて紹介したものです。勤務時間、夜勤・宿直・オンコール体制、職種間の役割分担、教育体制等は施設によって異なります。実際の勤務条件については、応募先の求人情報や雇用条件等をご確認ください。



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